【画像つき】500円以下でできる! 業務用マイクをパソコンにつなげる方法!

2010/02/11 放送技術 このエントリをはてなブックマークに登録

『業務用マイクをPCにつなぎたい!』ちょっと音響機材に詳しいかたなら、そう思うことがあるのでは? ところがこういった用途のコネクタは案外売っていなくて、売っていても5000円もしてしまったり!(http://www.thanko.jp/product/av_cable_mike/) そんなわけで今回はたった500円でXLRコネクタをステレオミニプラグに変換する方法をお届けします。半田付けの方法や、ノイズの取り扱いなどノウハウもご紹介しますので、「機材はちょっと詳しいけど、電子工作なんてやったことない><」というかたはぜひ挑戦してみてください!

(業務用マイクとは、ここでは、XLRコネクタ、またはキャノンコネクタと呼ばれるコネクタで接続するマイクのことを呼んでいます。また、ケーブルから電源を供給する必要があるコンデンサマイクは接続できません。マイクに電池を内臓するタイプなら大丈夫です。)

用意するもの

 

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イアフォン用ケーブル

マルツで160円くらいで売っていました。3.5mmの、イアフォン用のステレオ端子が片方についていて、もう片方はケーブルがそのまま飛び出しているものです。

ステレオにする理由は、パソコンのマイク端子がステレオだからです。モノラルの端子にすると、録音したら左側しか音が入っていないというトラブルにつながります。

XLRコネクタ メス

XLRコネクタって、メスオスがどちらかわかんなくなっちゃうのは私だけでしょうか。

中のピンが出ているほうがオスです。基本的にデータの送出側がオスで、受信側がメスということになってます。

これは共立電子で150円くらいだった気がします。純正の高いやつは1000円とかするときがあるので注意。安いのでも十分です。

と、いうわけで、早速作り始めましょう。まずXLRコネクタを分解します。コネクタによっては精密ドライバが必要なのです。私の買ってきたコネクタはねじねじするだけでした。

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なかの黄色いこれが、実際に接続される部分です。右上が1ピン、左上が2ピン、下が3ピンとなってます。1ピンはグラウンド(アース)といって、ほかの2本より先に接続されるようになってます。

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裏側から見ると、1ピンだけ微妙にへこんでる(コネクタ側に出ている)のがわかるでしょうか。この裏側に、ケーブルを半田付けします。

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イアフォンケーブルは、こんな感じでもうケーブルが飛び出てます。ステレオなので、ケーブルが4本出てますが、銅線本来の色のがグラウンド、赤と緑の線が右と左です。今回は右と左に同じ音を出すので、赤と緑の線をこよって一緒にしてしまいます。

もし、ご家庭のイアフォンをぶった切ってケーブルを用意された場合、銅線は絶縁体でコーティングされているので、はんだ付けするまえに、線をヤスリでこすっておいてください。

 

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さっそく半田付けです。また、どこのご家庭にもある、はんだ線とはんだこて。十分に暖めて使います。こて先で半田を溶かすのではなく、こて先で金具を暖めて、その熱で金具にはんだ線をつけて溶かします。

 

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先ほど説明したように、1ピンがグラウンドなので、グラウンド同士、ナチュラル銅線(の片方)を1ピンにくっつけます。もう片方のナチュラル銅線は3番ピン、赤と緑の線は、両方2ピンにつなげます。なんでグラウンドを1番と3番につなげるかは、ぐぐってください。とりあえず今は使えればいいので説明は省略します。(ちなみに両方のグラウンド線はイアフォンコネクタ部分でつながってます。ほら、だって線は4本だけどイアフォンコネクタの金属部分は3つにしか分かれてないでしょ?)

 

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ここで注意。あとでXLRコネクタを組みなおすときのために、はんだ付けする前に、ケーブルに通して置かないといけない部品がいくつかあります。ご覧のとおり、私はそれを忘れました。てかいつも忘れます。今回はイアフォンコネクタ側が細かったのでなんとかなりましたが。

 

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はんだ付け部分は非常に弱いので、ひっぱって断線しないように、2センチ下くらいで2回結びます。結び目がコネクタのしっぽの部品に引っかかることで、半田部分に力がかからないようにするのです。

 

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コネクタを組みなおします。

 

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と、いうわけで、完成。

 

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イアフォンコネクタ側を、マイク端子にさすことで、業務用マイクを簡単にPCで使えるようになりました。ちゃんちゃん。

 

追伸

ちなみに、某音響部品店で、見た目はほぼ同じなケーブルが売ってますが、PCにさしても動作しません。ブーーーーーってひどい音がします。なーんでか。それはね、赤と緑が、2番と3番に別々につながってるから。これは業務用のワイヤレスマイクなんかをつなげるのに必要な接続方法です。

 

そもそも、音だって電気の信号なんだからモノラルなら行きと帰りで2本あればいいはずなのに、なんで業務用は3本も必要なのか。それは、ながーーーーーーーーーーいケーブルを引き回した際に、ノイズが入ることを防止してくれるからなんです。

なんで3本あるとノイズが入らないかというと、ノイズが入らないのではなく、入ったノイズを消す方法があるんです。ちょっと端折りますけど、音の信号が1で、ノイズが0.2だとします。送信側は1の信号を送りますが、長いケーブルの中で勝手に0.2が作成されてしまい、受信側には、1.2の信号が届いてしまうとします。もし、長いケーブルの中にもう1本、送信側から-1の信号を送るケーブルがあると、受信側には-0.8の信号となって届きます。これを受信側で引き算すると、あら不思議。1.2+0.8=2で、信号が倍になってノイズが消えてくれるんです。だいたいこんな感じ。

今回の変換ケーブルは、このもう1本の情報を捨ててしまうことで、PCに入るようにしているんですね。ということはノイズは載りやすくなるんですが、そもそもケーブルも短いのでさほど気にすることもないと思います。たぶん。

※詳しい人へ。インピーダンスの話はわからないのでツッコミはやめてください><

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