[NKH]ニコ生企画放送局が目指すネット放送の未来

2010/03/24 お知らせ このエントリをはてなブックマークに登録

[NKH]ニコ生企画放送局は技術、メディア、コンテンツすべての面でネット放送の可能性を極限まで追求します。

[NKH]ニコ生企画放送局はインターネット放送を中心とした集団です。これまで書籍にはblogやフリーペーパー、ラジオにはミニFMやPodCastなど誰でも発信できるメディアが存在していました。しかし、放送はテレビ局が独占しており、関係者以外による番組制作は不可能な状況でした。こうしたなか、『ニコニコ生放送』『ustream』といったインターネット放送サービスが登場し、アマチュアでも放送ができるようになりました。私たちは新しいオモチャを手に入れた子供さながらに、この状況にワクワクとしています。

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ドイツからPC1台と携帯回線を用いて放送を行った。詳細はこちら

私たちは技術とコンテンツの両面からネット放送の可能性を追求しようとおもいます。まず、ネット放送での番組制作ノウハウを確立します。ネット放送はテレビと同じ番組を1/10のコストで放送できます。どんな機材と体制があればテレビに並ぶ番組が作成できるのか、放送を繰り返し検証していき、その成果を広く共有します。次に、ネット放送でしか出来ない特徴を見つけ、活用します。ネット放送の特徴は双方向性であり、多チャンネルであり、どこでも誰でも放送出来ることだとおもっています。たとえば、双方向性を生かしたツールを作成し、テレビでは出来ない番組を作ります。

image 視聴者のコメントで走行する放送装置。これ1台で自走し、放送する。詳細はこちら

 

コンテンツ面では、元2ちゃんねる管理人西村博之氏が「ネット放送は100万人が見る番組よりも、1000人が見る番組を1000個作るのを目指すのがよいのではないか」と分析していました。テレビ番組はCMを収入源にするため、多くの人に向けた番組しか作ることができません。しかし、世の中には100人から1000人くらいが見たい番組がたくさんあります。たとえば引退する新幹線の最後の走行、高校演劇の発表会、地元の友達の結婚式などです。私たちはあらゆる対象を放送し、ネット放送に向いたコンテンツはどういうものなのか、調べていきたいとおもいます。

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新幹線の引退走行を中継した。企画と放送を担当したのは中学生のメンバー。詳細はこちら

 

ネット放送を使うと、インターネットのコミュニケーションの魅力をネット的でない場、現実空間に持ち出すことができます。これまで、ネット上でどれだけコミュニケーションが行われようと、その結果は間接的にしか現実空間に影響しませんでした。たとえば、商品が売れる、観光客が足を運ぶ、イベントが開かれるといったものです。しかし、ネット放送を用いると、ネットのコミュニケーションの熱気をそのまま現実空間に出現させることができます。ライブ中にその場の出演者に、放送へ行われたコメントを見せたことがあります。出演者は驚き、ネット上の観客を実感していました。ネットの向こうに誰かが居て、空間を超えて不特定多数とコミュニケーションできるというのはネットの本質の一つです。私たちはこのコミュニケーションの魅力を、もっと追求していきます。

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ネット放送に寄せられたコメントをライブ会場に投影する装置。ネットの盛り上がりを現実空間に提示することができる。詳細はこちら

 

ネット放送は、個人の発表手段としても便利です。歌を歌う、ゲストとトークする、旅を配信する、そんなテレビ・ラジオ的な利用だけでなく、プログラムの様子を垂れ流す、一緒にゲームをする、受験勉強をするなどを超少人数な番組になります。ライブというより、まるで「こども部屋」がつながったかのようにプライベートな空間ができあがります。こうした番組は不特定多数に向けた魅力的なコンテンツという訳ではありませんが、部活か教室かのように親密な交流に向いており、何かの練習や成果の発表には最適です。私たちはこうした交流・発表媒体という側面も積極的に使っていこうとおもいます。

image 24時間毎日自宅の様子を中継しながら生活する実験放送。詳細はこちら

 

ジャーナリズムの世界にも、ネット放送は変化をもたらす可能性があります。ネット放送の特徴の一つに無編集性があります。ただカメラに写っているままに中継するため、編集意図が入りにくく、一次ソースとして利用価値があります。これまでネット上の情報を信じて貰うには、現実の肩書きかネットの肩書きなど何らかの信頼性を保証するものが必要でした。しかし、ネット放送を記事の根拠(エビデンス)にすると、蓄積に頼らない信頼性を担保できます。これは個人で何かを伝えたい人にとって強い武器になりえます。この特徴を生かして、ネットの面白いことをネットにあまり興味のない人に伝えていきたいと思っています。

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田原総一郎氏などが出演したネット放送『朝までダダ漏れ討論会』の様子。詳細はこちら

 

ネット放送はこれまで登場したどのネットサービスとも違う革新性を持っているかもしれません。これまでネットコミュニケーションの技術というのは、いかに気軽に会話できるかという点に注力してきました。電子メール、メッセンジャー、SMS、twitterなど新サービスが登場するたびに会話のための敷居が下がりました。おかげで世界中の不特定多数の人と気軽に会話できるようになったのですが、その人たちと信頼を醸成するには、長い時間が必要でした。私の経験では毎日テキストメッセージをやりとりしても、友人になるには半年~1年必要でした。ところが、ネット放送で表情や声を伝えあうと、遠隔地の不特定多数の人とも比較的素早く友人になれる、つまり信頼が築けることがわかりました。信頼に必要なコストを下げるというのはこれまでのメディアにはなかった特徴です。この特徴は、今後何かを変えていくと思っています。

 

ネット放送はまだ生まれたばかりのメディアです。今後だれに必要とされるメディアになるのか、まだ見えていません。私たちはこうしたネット放送黎明期に立ちあえた幸運に感謝しながら、全力で遊び尽くそうとおもっています。もしよければ、あなたも一緒に遊びませんか?

Enjoy nicolive!

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  1. 伊予柑 より:

    「リアルタイムウェブの現在とこれから」で俺が話させて頂く内容は、以下をベースにする予定です。興味があるかたはどーぞ!>[NKH]ニコ生企画放送局が目指すネット放送の未来
    http://enjoynicolive.com/p935.html