なぜ『空飛ぶパンツ』が商品化され『空フェス!』が開催されたのか?
なぜ、『空飛ぶパンツ』というものが生まれ、商品化され『空フェス!』が開催されることになったのか?
イベントの担当者である伊予柑が一通りまとめてみます!
ある日、『そらのおとしもの』というテレビアニメでパンツが空を飛ぶという衝撃的な映像が放映されます。ただのギャグにしては非常に高い技術力で説得力をもった飛び方をしており、多くのネットユーザーの間で話題となります。
それをみた、ニコニコ技術部の一人である尻Pがその動画の力強さに感銘を受けます。技術者である尻Pは、空飛ぶパンツと題した羽ばたき飛行機を実際に作成してしまいます。その空飛ぶパンツを飛ばした様子を動画にし、ニコニコ動画で公開します。
おもちゃメーカー株式会社クエスチョナーズの代表である藤岡氏も同時期にアニメをみており、羽ばたき飛行機の作成を決意します。しかし尻Pが先に動画として公開していたため、あきらめます。blogに先に出せなかったのが悔しいというようなことを書いていたところ、尻Pから製品化への協力を求めるコメントがありました。そして二人で製品化することにします。 (関連記事:パンツの群れが大空を飛ぶ日が来た 組み立てキット「空飛ぶパンツ」登場 – ITmedia News)
ツ黴
[NKH]ニコ生企画放送局の筆者は量産化がきまったのを受け、「みんなでパンツを飛ばすイベントをしませんか?」とニコニコ技術部と尻P、藤岡氏に相談します。尻Pの空飛ぶパンツ動画には「みんなで飛ばしたいなー」というコメントが多く寄せられており、ぜひ実行に移したかったのです。筆者はネット発の面白い出来事を放送する活動を続けており、イベントの様子をインターネットで生放送したら、世界中の多くの人に届けられるなぁと考えていました。
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イベントの準備の最中で、尻Pが「ゲストに八谷さんをお呼びできますよ」と発言し、ポストペットの開発で有名なメディアアーティストの八谷和彦氏に声がかかります。八谷和彦さんはアートプレイス3331 Arts Chiyodaの関係者だったため「会場に3331をつかいませんか? プレオープニングイベントとして場所を提供できます」と提案しました。八谷氏はOpen Skyプロジェクトを自ら行う空好きで、秋葉原つくってみたラボの所長を務めるなど自作のアート的コンテンツを得意にしていたのです。もちろん発端の動画も見ていました。
様々な偶然が重なりイベントは開催が決まり、『空フェス!』という名前になりました。空飛ぶパンツに限らず、空にまつわるものをみんなで飛ばしたら面白いというコンセプトです。「このイベントにあわせ、動画投稿イベントができないか」という提案がニコニコ技術部に向けられました。これは面白そうだ、ということでニコニコ技術部のYモードP氏が主催に立候補し動画投稿イベント『作ってみた祭』の開催が決まります。
空飛ぶパンツは話題になり、イタリアのhobbymediaというblogが記事にします。それをうけ、wiredというアメリカ有名技術サイトが記事にします。それを日本のwired visionが翻訳し、記事にします。空飛ぶパンツは渡り鳥のように世界を一周して、日本にもどってきたのです。
イベントと商品は話題になり、「そらのおとしもの」の権利者である角川書店の耳に入ります。ここで話し合いがもたれ、商品版の「空飛ぶパンツ」は公認商品となります。(イベント『空フェス!』そのものは角川とは無関係のイベントです)
一見するとこのイベントは角川のプロモーションイベントに見えるかもしれませんが、全く違います。一人一人の「それ面白いね!」というのが、連鎖を重ねてできた偶然の集積だったりします。関係者の立場は様々、作ってみたものも様々ですが、パンツが空を飛ぶのは面白い! という一点だけは共通しています。
当日会場には記事中の関係者が全員集結します。そしてみんなで空飛ぶパンツを作成し、空に向かって飛ばします。キットの作り方はニコニコ技術部のメンバーが先生となりフォローしてくれます。会場には作ってみた祭でニコニコ動画に投稿された作品の一部が展示されます。
動画投稿サイト、ユーザー作成コンテンツ、海外、インターネット放送、メディアアート、リアルイベント。ひょっとしたら空フェスはインターネットを舞台にした新しい遊び方の最新事例かもしれません。イベントは2010年3月6日(土)より。よかったら、あなたも参加してみませんか?